片付けが得意かどうかと聞かれると、自信を持って得意だと言える人は意外と少ないのかもしれません。
きれいに収納する、物を減らす、見た目を整える。そう考えると、片付けは少し大きな作業に感じます。
でも、暮らしの中で本当に困るのは、部屋が完璧に整っていないことよりも、必要なものが必要なときに見つからないことではないでしょうか。
鍵がない。
財布がない。
充電器がどこにあるかわからない。
あとで見ようと思った書類が見つからない。
そういう小さな探し物が重なると、それだけで少し疲れてしまいます。
だから、片付けが苦手な場合ほど、まずは「きれいにする」よりも「置き場所を決める」ことから始めるのがいいのかもしれません。
片付けは、きれいにすることだけではない
片付けというと、見た目をきれいにすることを想像しがちです。
収納ケースをそろえたり、棚の中を整理したり、物を減らしたり。
もちろん、それができると気持ちがいいですし、暮らしやすくなることもあります。
でも、最初からそこまでやろうとすると、少し大変です。
どこから手をつければいいのかわからない。
一度きれいにしても、すぐ元に戻ってしまう。
片付ける時間を作ること自体が負担になる。
そうなると、片付けは「ちゃんとやらなければいけないこと」になってしまいます。
でも、暮らしの中で大事なのは、いつも完璧な状態を保つことではなく、必要なものを無理なく扱えることだと思います。
見た目が少し整っていなくても、使うものの場所が決まっているだけで、日々の負担はかなり減ります。
探し物は、思っているより疲れる
探し物をしている時間は、短く見えて意外と疲れます。
出かける前に鍵を探す。
充電したいのにケーブルが見つからない。
郵便物を確認しようとして、どこに置いたか思い出せない。
一つひとつは小さなことです。
でも、急いでいるときや疲れているときには、その小さな探し物が大きなストレスになります。
物が多いことよりも、「どこにあるかわからない」ことの方が負担になる場面は多い気がします。
逆に、置き場所が決まっているものは、あまり意識しなくても使えます。
鍵はここ。
財布はここ。
充電器はここ。
よく使うペンはここ。
それだけで、探す時間も、思い出す手間も減ります。
暮らしを整えるというのは、こういう小さな迷いを減らしていくことでもあるのだと思います。
まずは、よく使うものだけでいい
置き場所を決めるといっても、家中のすべての物に住所をつける必要はありません。
最初から全部を決めようとすると、それだけで疲れてしまいます。
まずは、毎日のように使うものだけで十分です。
鍵、財布、スマホ、充電器、イヤホン、腕時計、文房具、郵便物、バッグ
こうしたものは、使う頻度が高い分、置き場所が決まっていないと散らかりやすく、その分、置き場所を決めたときの変化も感じやすいものでもあります。
きれいに収納する必要はありません。
小さなトレーに置く。
棚の一角に置く。
机の端にまとめる。
バッグの中のポケットを決める。
それくらいでも十分です。
大事なのは、見た目よりも「毎回そこに戻せるかどうか」だと思います。
戻しやすい場所にする
置き場所を決めても、戻しにくい場所だと続きません。
扉を開けないといけない。
奥の方にしまわないといけない。
別の部屋まで行かないといけない。
こういう場所は、きれいに見えても、日常の中では少し面倒です。
よく使うものほど、戻しやすい場所に置く方が続きやすいです。
鍵なら玄関近く。
充電器ならよく使う部屋。
ペンなら書く場所の近く。
郵便物なら一時的に置ける場所。
使う場所と置く場所が離れすぎていない方が、自然に戻せます。
片付けを続けるうえでは、「ちゃんとやろう」という気持ちよりも、戻すのが面倒にならない場所にしておくことのほうが、案外大事なのかもしれません。
それだけで、少し楽になります。
一時置き場があると気持ちが楽になる
すべてをすぐに正しい場所へ戻せれば理想ですが、実際にはそうもいきません。
帰ってきてすぐ。
忙しいとき。
疲れているとき。
後で確認しようと思ったとき。
そういう場面で、物は一時的に置かれます。
だから、一時置き場を作っておくのも大事だと思います。
郵便物を置く場所。
あとで読むものを置く場所。
外から持ち帰ったものを一度置く場所。
一時置き場がないと、机の上や棚の上に何となく置かれて、そのまま広がっていきます。
でも、一時置き場が決まっていれば、「とりあえずここ」と思えます。
もちろん、一時置き場がいっぱいになったら見直す必要はあります。
それでも、置き場所が何も決まっていないよりは、ずっと扱いやすくなります。
完璧に片付けるためではなく、散らかり方を少しゆるやかにするための場所。
一時置き場は、そんな役割があるのかもしれません。
片付けは、自分を責めるためのものではない
片付けができていないと、自分がだらしないように感じてしまうことがあります。
また散らかっている。
また探している。
また元に戻せなかった。
そう思うと、片付けは少し苦しいものになります。
でも、暮らしは毎日動いています。
物を使えば散らかります。
忙しければ後回しになります。
疲れていれば、きれいに戻せない日もあります。
だから、片付けは自分を責めるためのものではなく、自分が少し楽に過ごすためのものとして考えたいです。
置き場所を決めることも、きちんと管理するためというより、未来の自分が探さなくて済むようにするため。
少し疲れているときでも、迷わず戻せるようにするため。
そう考えると、片付けは少しやさしいものになります。
小さな置き場所から、暮らしは整っていく
暮らしを整えるというと、大きな変化を想像してしまいます。
物を減らす。
収納を見直す。
部屋全体をきれいにする。
でも、最初の一歩はもっと小さくていいのだと思います。
鍵の場所を決める。
財布を置く場所を決める。
充電器を戻す場所を決める。
郵便物を一時的に置く場所を決める。
それだけでも、日々の中の探し物は少し減ります。
探し物が減ると、気持ちにも少し余裕ができます。
完璧に片付いた暮らしではなくても、自分にとって扱いやすい暮らしに近づいていく。
そのくらいの感覚で、少しずつ置き場所を決めていけたらいいのではないでしょうか。
